1.当面の総合的エネルギー政策 平成27年1月29日 KAKKIN

1.エネルギー政策の基本
 エネルギーは国民生活や経済・産業の根幹を支える基盤である。エネルギー資源の多くを輸入に頼らざるをえないわが国においては、エネルギーを巡る国際情勢等を踏まえ、経済成長や地球環境保全を最大限考慮しつつ、エネルギー効率やエネルギー自給率の向上、エネルギー資源の廉価かつ安定的な調達など、将来にわたる強靭なエネルギー安全保障・安定供給の確保が求められている。このため、エネルギー政策については、エネルギーを巡る国内外の情勢を踏まえつつ、「エネルギー安全保障・安定供給(Energy Security)」「経済成長(Economic Growth)」「地球環境保全(Environment)」に「安全性(Safety)」を加えた「3E+S」を基本的視点とすべきである。


2.エネルギーミックスの確立
 エネルギー政策の基本的な視点である「3E+S」を満たす完璧なエネルギー源は存在しない。特定のエネルギー源に偏ることなく、国家戦略としてのエネルギーミックスを構築すべきである。その際、「3E+S」を基本的な視点として、エネルギーを巡る国内外の情勢やエネルギー源毎の長所・短所を踏まえるとともに、経済や産業活動、雇用、生活への影響を十分に考慮しつつ、資源に恵まれないわが国における現実的なエネルギーミックスの最適化を図るべきである。
(1)原子力エネルギーは、「エネルギー安全保障・安定供給」「経済性」「地球環境保全」の各面で優れ、国家戦略としてのエネルギーミックスに欠かすことができないエネルギー源であり、事故の教訓を踏まえ、「安全性」の確保に万全を期すことを前提に活用すべきである。
(2)再生可能エネルギーは、経済・産業活動や国民生活等への影響に配慮しつつ、利用促進と国民負担の抑制を最適な形で両立させ、導入拡大に向け計画的に進めるべきである。また、化石エネルギーは、安定的な調達・供給、高効率化・高度利用促進ならびに地球温暖化対策への対応に努めつつ、今後とも活用すべきである。更に中長期的に「3E」の観点から、省エネルギー社会の構築に向けた取り組みを強化すべきである。そして、「エネルギー安全保障・安定供給」の観点から、新たなエネルギー源の獲得に取り組むべきである。


3.原子力発電所の再稼働に向けて
 国内経済や産業活動、雇用や国民生活に多大な影響を与えている電力需給の恒常的なひっ迫ならびに電気料金の上昇の二つの重大な課題を解消する必要があり、安全性が確認された原子力発電所について、安全性や必要性など地域住民や国民の理解を得つつ、早期かつ円滑な再稼働を実現すべきである。なお、原子力発電所の再稼働にあたっては、事故を教訓とした原子力安全の向上への継続的な取り組みと原子力防災対策に万全を期さなければならない。


4.国民的合意形成に向けた取り組み
 エネルギー政策は、国民生活や雇用、経済・産業活動、ひいては国の将来に決定的な影響を与える重要な政策であり、客観的な情報が開示されるとともに、透明で開かれた国民的な議論の上で、合意形成を図りつつ、決定されるべきである。そのためには、エネルギーや密接に関係する地球温暖化対策などを巡るわが国の現状や知識、更には原子力施設の安全性、放射線利用の実態や健康への影響など国民一人ひとりが理解を深める取り組みが必要である。エネルギー政策における国民の合意形成に向け、エネルギー事情の全体像や原子力、放射線、環境問題など、国民各層に対するエネルギー広報ならびに学校教育におけるエネルギー・環境教育の充実・強化を図るべきである。